Vol.1 地球温暖化問題への「気付き」とプロジェクト・エコツー

子供の頃に住んでいた埼玉県の南部(現在のさいたま市)でも、田んぼに行けばメダカやドジョウがたくさん泳いでいたものでしたが、都市化が進んで今ではこうした風景を見ることができなくなりました。最近では希になりましたが、以前、夏場の関東圏では頻繁に光化学スモッグ注意報が発令されました。気管支が弱かったものですから、クラブ活動を途中で休みながら行ったことを時折思い出します。

私たちは、数多く存在する環境問題に対して、自らの目や肌で感じることでその問題の深刻さに気付き、「どうしてこういった問題が起こるのだろう」「どうしたら解決できるのだろう」と考えて、そしてその必要性を強く感じた人から実行していくのだと思います。
上で述べたような「自然環境の変化」や「健康被害」、もしくは騒音や悪臭といった身近な環境問題は、各人が認識することが容易で、取り組みの必要性に対して理解が得やすいものかもしれません。
ところが、こと「地球温暖化」となりますと、最初の「気付き」が容易ではありません。

そもそも、地球温暖化は何十年、何百年といった「長い年月」をへて、様々な問題が「少しずつ」「地球大で」現れてくるものです。ですから、温暖化問題の実態は直接に感じるのではなく「情報」を通して認識されます。また、原因物質がエネルギーを使うことにより発生する(目に見えない)二酸化炭素というのも理解することは大変です。
「新聞やテレビで見開きして知っているけど、今すぐに何かしなければならないの?」というのが、大半の方々の印象ではないでしょうか。そのため「一人一人が省エネルギーを行って地球温暖化問題に取り組むことが重要」ということを、どの様に伝えていくかが大事になってきます。

私たちプロジェクト・エコツーは生活者の方々に対してこうした情報や取り組み方などを解りやすくお伝えし、少しでもこの問題の解決が進むことに貢献できるよう取り組んでいるグループなのです。

代表 工藤拓毅

澤 昭裕

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プロジェクト・エコツー 名誉代表

東京大学先端科学技術研究センター教授

Vol.2 料理とワインと環境のマリアージュ

食べることは人の命を作る最も基本的な行為です。家族や友人のために料理をつくることはそうした人たちの命を作ることに参加することです。料理を美味しく作ることは、美味しく命を作ることにほかなりません。そんな料理が環境に優しいやり方で作られるとすれば、それは命が環境に優しいやり方で作られることになります。
さて、近年の環境問題は、人間の活動が主な原因でもたらされましたから、その解決は人の活動の中の努力によるしかありません。産業活動や我々が普段手にする製品を環境に優しいものに転換していこうとする試みは各方面で見られます。個人レベルで見るとどうでしょう。環境に優しい製品を購入したり、節約したりは分かりますが他にはどんなことができるでしょうか。これが、私の最大の関心事です。そこで料理です。料理は多くの食材に相当な手を加えてより美味しい食べ物を作る作業ですが、これにも地球温暖化問題やリサイクル問題の解決に繋がるやり方があって、料理を食べない人はいませんから、国全体で取り組めば大きな効果が期待できます。美味しい料理を環境に優しく作るのがプロジェクトECOllが提唱する「キッチンECOll」です。環境に優しい料理は、命が環境に優しくなることなのです。そう考えれば環境問題に取り組む出発点とも言えます。

話が変わりますが、ワインです。ワインは過去に日本でもブームになりましたが、最近ようやくワインが日本食の文化に定着してきました。私は、日本は世界で最も多くの世界中のワインが飲める国だと思います。ワインには市場を意識した格付けや薀蓄を敬遠する向きもありますが、大事なことは、ワインバーやショップでなく普段の食卓で料理と合わせてはじめて価値を発揮することです。料理とワインのマリアージュ(最適な組み合わせ)は、飲む人がその組み合わせで美味しいと思うかどうかが大事で、ぴったりと合う場合には料理を作る人とワインを選ぶ人の思いが相乗効果となって食事をする人に至上の喜びをもたらします。これは是非経験をして欲しいと思います。料理について個人の好みや考え方が異なるのと同じように、ワインについても薀蓄や経験則にとらわれずに、自分だけのマリアージュを発見したいものです。近頃は、農薬の使用を制限したり自然の摂理を最大に活用するワイン造りが世界のトップクラスのシャトーにまで浸透しつつあります。ワイン造りも環境に優しい方向に向かっています。料理とワインと環境のマリアージュ。毎日の食事を通して環境に優しいマリアージュの世界を深めて行きたいと思っています。

                        副代表・幹事 安栖宏隆

工藤 拓毅

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プロジェクト・エコツー 代表
財団法人日本エネルギー経済研究所 地球環境ユニット総括 地球温暖化政策グループマネージャ
1991年筑波大学大学院環境科学研究所を終了後同所に入所。
途中、1997年から米Resources for the Future 客員研究員、1997年より麻布大学環境保健学部非常勤講師。
専門は、エネルギー需要分析・予測、地球温暖化政策、新エネルギー政策。

普段は国内外の地球温暖化政策や省エネルギー、新エネルギー政策に関する研究に従事している。以前から家庭部門におけるエネルギー消費とライフスタイルに関する研究に関して興味を持ち、昨年からは当該部門における地球温暖化への取り組みをいかに推進していくかというプロジェクトに参加。その流れで、Project ECOIIの立ち上げに参加。

Vol.3 杉”裏”的、環境問題ここ20年

 お約束だが…子供の頃はプロ野球の選手になりたかった。

それから、十数年を経て。新聞記者、教師、アナウンサー…などと人生の目標をコロコロかえ、その大小さまざまな夢はすべて友人に託し、”環境科学”という学際領域をマスターでかじっておきながら、(だからなのか)たどり着いたのが予備校のセンセイだった。何度も担当教官(=師匠)に「就職先はここでいいのか!?」とやられたのが懐かしい。

担当は、現代文と古文と小論文。特に古文の指導には情熱を注ぎ、短大部の授業も多く持っていた手前もあり、(まがった情熱も混じり)結構人気の講座だったと思う。

さて、私自身古文が好きになった理由は、マニアックな文語文法に魅せられたこともあるが、「温故知新」を体感できることも重きをしめる。それは「枕草子」や「徒然草」といった、誰でも知っているベーシックな随筆などでも十分に堪能できる。

わかりやすい例で、兼好は五五段にて「家のつくりやうは、夏をむねとすべし。」とし、「深き水は涼しげなし。浅くて流れたる、はるかに涼し。」と遣水などの効果を綴っているが、防寒よりも防暑に悩まされていた当時を容易に想像でき、プチ・エコ住宅問題(?)を見てとれる。遣り水といえば、「打ち水大作戦2004」は壮観だったですね。

700年弱の時を経て、「物語の出で来はじめの祖」と呼ばれる「竹取物語」成立から1000年、すなわち宇宙旅行が現実となった科学の今日。昔から防寒が得意なこの国で、冬の方がエネルギー消費量が多いのは至極当然ということか、はたまた、皮肉的な結果か。

そういえば、先日、「デイアフタートゥモロー」を観た。古気候にも温暖化の行く末を紐解かせるストーリー(だったと思うが…)も、1つの暗示であろう。いまこそ「環境の温故知新」なのだと。日経エコロジーに連載の「江戸はエコ産業」(石川英輔氏)しかり、おばあちゃんの知恵袋しかり、有職故実を垣間見ても何かおもしろいエコ発見ができるかもしれない。(余談:かの三橋規宏氏が自身の環境コラム2004/6/1版で、前出のシナリオに類似の「ペンタゴンレポート」について触れているのはこの映画のリアリティに通じていておもしろかった。)

話はそれたが、そういうわけで古文FANとなった20代後半の私は、世界最短・言葉の芸術といわれる”俳句”に目覚めるのであった。よせばいいのに、水原秋桜子筋の句会に入会し、有閑マダムに交じって「有季定型」を徹底的に仕込まれた。となると、季節への洞察力、自然との一体感…行き着く先はやっぱり環境問題へのセンスなんですね。

30歳を迎え、結婚し、幸運にも子宝に恵まれたのだが、二番目の子がアトピーとなり、再び環境問題。今度は「文学」でなく、「食」の方面からのアプローチだ。

学生のころは、[人文社会系+自然科学系というカテゴリ=横断的]というカタイ理解をしていたのだが、実際こうやって身の回りにおこるいろいろな現象事態がすべて環境問題なのである。「環境問題に専門家ナシ」と言った師匠の言葉がやっとわかった気がした。

ともあれ、そんなこんなの時を経て現在、環境プロモーションという職業域(?)にいる。

近年はCSR対応とも相まって良くも悪くも忙しい。そんな、日々に忙殺されていた折、一瞬仕事を投げ出して書き出した推敲ナシの拙文ではあるが、つい忘れがちだった自分の環境問題に対する”裏アプローチ=原点”を再認識させてもらった。ECO?のリレーコラムもまんざらではない(笑)。

最後になるが、思い出しついでに…。

当時、同人誌(「万雷」)にはじめて入選した句は、ぽかぽか陽気の中で今の嫁さんと上野動物園で吟じた、「猿山の小猿数へて春の昼」である。自分でも気に入っている。

40代を目の前にした今、私は月に一回は子連れで動物園にいきたいと思っている良き(?)父親である(年6回以上は行ってマス!)。

ちなみに、2人の男の子はイチロー、松井に夢中である。はたしてこの子達の将来は…、地球の未来は…。

                        副代表・幹事 杉浦正吾

安栖 宏隆

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プロジェクト・エコツー 副代表・幹事
鹿児島県出身。現在、内閣府政策統括官付(科学技術政策担当)勤務。
1989年東京大学工学部都市工学科を卒業後、通商産業省に入省。
オゾン層保護対策、リサイクル政策、エネルギー・環境技術の研究開発、産業技術政策、環境政策などを担当。
途中、1994年から2年間フランスのESSEC(経済商科大学院大学)へ留学、1996年からは在フランス共和国日本大使館で勤務。
屋久島で10歳からの4年間を過ごした経験から、早くから環境問題に関心を持ち、環境政策に携わるために通商産業省に入省した。現在は「環境分野における企業のイノベーションとブランド化によって、環境保全と産業競争力強化を両立させる政策」の企画立案のために奮闘中。一時的な感情や流行に左右されない真に持続的な環境政策の実現を模索している。
趣味は、ワイン・旅行・野球・スキー・水泳。

Vol.4 似非エコロジストかく語りき

環境の仕事に携わってから結構長いのですが、いまだに慣れないことがあります。
それは「名前」を呼ばれること。
もちろん、ふつうに名前を呼ばれる分にはぜんぜんオッケー。でも、たとえば某お役所のホームページや某ガス会社のカレンダー。エコライフ系の女の子の名前って「みどりちゃん」が結構多い。また、たとえば、この仕事をしていると結構な頻度で出てくる「緑を増やす」とか「緑を育てる」という言葉。
相手がそのまま気付かずに流してくれればいいのだけれど、気付いてしまったらさぁタイヘン。言った方はドキマギ、言われた方は照れ笑い。ホントいまだにどう反応したものか悩むことしきり。
名刺交換するたびに「(お仕事に)ぴったりですね」「いい名前ですね」と言われるこの名前。おかげで覚えもよろしいようで、本人も気に入っているしなかなか役に立ってはいるのですが。

さて、この11月の最後の週末、紅葉真っ盛りの京都に行く機会に恵まれました。京都といえば7年前の1997年に「京都議定書」の合意が成立した場所で、自分もその会議に居合わせたのですが、その後の7年間でどれだけの進展があったかと考えると、あまりなにも変わっていないばかりか、ますます事態は悪くなっているような。当時は京都の町を中心に温暖化防止に向けた熱気というものが感じられましたが、いまは熱も冷えかかっているようで・・・。もちろん今も熱心に取組んでいらっしゃる方たちはいらっしゃいますが、熱心な方と無関心な方の間の溝は深いようです。まぁ、これは環境問題に限ったことではないのかもしれませんが。
でも、何の対策もとらなければどんどん事態が悪化していくのは風邪と同じ。ひいたかな?ってときに栄養のあるものを食べてゆっくり休めば軽いうちに治るけど、こじらせちゃうとさぁ大変。地球温暖化も今のうちならみんながちょっとづつ何かしていけば何とかなるだろう話なのに、このままほっぽっとくと一大事に。

地球温暖化を防ぐ、といっても大袈裟に考える必要はありません。天気がよければ車に乗らずお散歩気分でちょっと歩いてみるとか、冷蔵庫内のありあわせの食材を使った新しいメニューを考えてみるとか、雑誌などで見かけたちょっとしたエコ技を試してみるとか、森林ボランティアに参加してみるとか。気楽な気分で試してみて、気に入ったら続ければいい。自分に快適なライフスタイルなら長く続けられるし、自分がやって楽しければ回りの人にも勧めたくなる。

さて,この際だからきっぱりはっきり白状しますが,私名前こそ「みどり」ですが,環境(エコ)主義者(ロジスト)ではありません。掃除・洗濯で使うのは合成洗剤,オーガニックや自然素材には関心なし,寝苦しい夜にはクーラーは朝までつけっぱなし(28℃設定だけど),割り箸も使う,マイバックもあるけどレジ袋をもらうことも(ゴミ袋にちょうどいい),サボテンすら枯らしてしまう私にはベランダ菜園なんてもってのほか。名前を呼ばれてなんとなく後ろめたいのは名前負けする似非エコロジストだからかな? でも,お米は無洗米だし(洗わなくていいから楽),旬の食材を選んでいるし(安くて美味しい),ゴミの分別・リサイクルだってちゃんとしてるし(オトナのジョーシキ),車には殆ど乗らないし(単に車が嫌いなだけ)。
そんなこんなでプラスマイナス相殺しあって,最後にちょっぴりプラスが残る。面倒なことは苦手だけれど,自分にイイコトで環境にイイコトはムリない範囲で取り入れる,
それが私流のECOIIライフスタイル=「気持ちイイ暮らし」。
環境にイイコトはやらないよりはやったほうが気持ちイイ。でも嫌々やってもしょうがないし,どうせやるなら楽しくやりたい。

私たちと一緒に,楽しく快適で地球にやさしい,気持ちイイ暮らし,はじめませんか?

                            幹事 佐々木緑

松本 真由美

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プロジェクト・エコツー 副代表・幹事
株式会社ホリプロ・アナウンス室所属。
アメリカの大学に2年留学後、上智大学外国語学部比較文化学科に編入。
大学3年生の時にサントリー・ワインクイーンに選ばれたのをきっかけに放送業界へ。NHK衛星放送や、CNNなど国際ニュースキャスターをつとめる。
現在は、番組のキャスター、レポートなどの他、シンポジウムのコーディネーターやイベントの司会、雑誌や本の執筆と活動の場を広げている。
2002年9月に経済産業省の「民生部門等における地球温暖化対策検討委員会」のメンバーとして参加したことをきっかけに環境問題により関心をもって取り組む。Project ECOII創立メンバーのひとり。
省エネルギー普及指導員。

Vol.5 きっとみんなやっている温暖化防止

この冬初めて、「あったか敷きパッド」なるものを購入した。毛布生地のシーツで、これがとてもあったかい。これのおかげで、今年の冬は、電気毛布は使わないで済んだ。仕事の関係で東京に来ているが、こちらの気温なら、これで十分冬も乗り切れる(地元の東北ではちょっときついと思うが)。

購入したもともとのきっかけは、寝るときに「寒いから」。冬に布団に入ると、ひやっとする。そのまま入っていれば、体温で少しずつ暖かくなってくるが、やっぱりきつい。ある程度は暖かくないと、なかなか寝付けない。

でも、敷きパッドを敷いてからは、ひやっとする感覚はなくなった。とても布団に入りやすい。気持ちもゆったりしていられる。なかなかいい感じだ。

あくまでも結果だけど、電気毛布は使わないで済んだので、電気代も節約できた。ちょっと嬉しい。それと、ふと気づいた。これって省エネにもなっているということ。省エネ=温暖化防止になっていた。そもそもの目的は違うけど、温暖化防止にも役立つことをやっていた。

これまで二年間、仕事で温暖化対策を考えてきた。でもそれまでは、温暖化を意識したことはなかった。なので、自分の家でどんなことをやるか、も意識したことはなかった。せいぜい、節約のため省エネを心がけたぐらい。

たぶん多くの人は、こんな感じじゃないかと思う。温暖化を意識することもほとんどないだろうし、意識して何かをやっていることもないんだと思う。

温暖化対策は、「意識の低い人たちにどうやって取り組んでもらうか」と言われる。それは大事なんだと思う。けれど、自分でも気づかないうちに、温暖化防止に役立っていることがあると思う。「意識が低い」と言われる人でも、きっと、普段の生活の中で、温暖化防止に役立つことをやっているんだと思う。

気付いていないだけなんだったら、気付いてもらえばいい。気付けばきっと、もっとやれることが増えてくる。そういうみんなに「気付いてもらえる」ことを、プロジェクトECOIIができたらいい。

                           幹事 工藤智広

杉浦 正吾

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プロジェクト・エコツー 副代表・幹事
株式会社アルテミス環境プロモーション事業本部・本部長。
1991年筑波大学大学院環境科学研究科を修了(専門は環境教育)。
日本環境教育学会会員、環境カウンセラー(市民部門)。
「環境・教育・地域」の複合的な問題に活動の場を求め、主として千葉県内において、環境系各種審議委員、柏・沼南合併競技委員、学校評議委員などを歴任。
小学校から大学、地域の環境イベントなど、講演・講義・プロデュースの実績。
現在は効果的な環境プロモーションのあり方について日々模索中。
また、ライフワークとして学習塾を経営。